こんにちは^^
レースを愛するロマンティックファッションブランド「Romantine(ロマンティーヌ)」のデザイナーMotoです。
Romantineは、2019年3月に原宿で開催されたファッションショー「Les Clefs d’or Collection(レクレドールコレクション)CITY STAGE #03」に、福岡発のファッションブランドとして初参加させて頂きました。
出展したジャンルは「ロリータファッション」です。
前回は、初めての服作りでしくじらないためにすべきことの2つ目「仕上がりイメージはデザイン画だけでは伝わらない」その理由をお話しました。
まだご覧になられていない方はこちらをご覧ください。
ロリータ服なのにスカートが広がらない?!初めての服作りでしくじらないためにするべき3つのこと(その2)
このブログをご覧頂いている方の中には、縫製は習ったことはないけれど「自分がデザインしたオリジナルのお洋服を作りたい!」と思っている方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん私もその一人です(*^^*)
私はプロの縫製職人さんとのやりとりの中で、実に様々なしくじりをしてきました。
今回はそのしくじりを元に、縫製経験のない人が縫製のプロに服作りをお願いするときの心構えや気を付けたい点などについてお話したいと思います。
私は当初、このようなしくじった考えを持っていました。
「相手はプロの縫製職人さんだから、細かな指示をしなくてもイメージ通りに仕上げてくれるだろう。」
もしかすると、このような考えを持っている人は、私以外にもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
ここで皆さんにご質問です。
10人の職人さんに、同じデザイン画と縫製仕様書を元に、さらに同じ生地・同じ資材で作って服を作ってもらうとします。
まったく同じ服が10着仕上がってくるでしょうか?
私は同じような感じで仕上がってくると思っていました。
ですが実際は違います。
おそらく一つとして同じものは仕上がってこないのではないでしょうか。
これは縫製経験のない方にとっては意外に思えるかもしれませんが、そこにはちゃんとした理由があるのです。
その理由は、
①職人さんそれぞれで技術レベルが違う
②職人さんそれぞれで使うミシンや道具が違う
③職人さんそれぞれで縫製の仕方・裁断の仕方が違う
特に大きな理由を上げていますが、細かな違いを探せばもっとたくさん出てくると思います。
やはり、職人さんによって縫製技術そのものが大きく違うということが、一番大きな理由なのではないでしょうか。
縫製歴が3年の方でも、30年以上のベテランの方でも、どちらもプロの職人さんです。
ですが、縫製歴にかなりの差があるお二人が同じものを作ったとしても、やっぱり同じものが仕上がってくるとは考えにくいですよね。
また、使うミシンによっても服の仕上がりが変わってきたりします。
さらに、実物のサンプルがあったとしても、同じような仕上がりになるとは限りません。
職人さんによって仕上がりに違いが出てくる以上、ざっくりとしたデザイン画や縫製仕様書では、最終的にどんな感じで仕上がってくるかはまったくわからないのです。
職人さんからしても、ざっくりとしたデザイン画や縫製仕様書で服を作るのって、けっこう不安だったりするんです。
だって、自分の解釈や縫製の仕方が正しいかどうか全然わからない状態で作るので、万が一「イメージと違う」なんて言われでもしたら、すごくショックだと思うんです。
細かい指示をお伝えするということは、イメージ通りに作ってもらいたい自分のためでもありますし、作り手である職人さんのためでもあるのです。
私も当初は、プロの職人さん相手にいちいち細かく指示をするのって「そんなことわかってますから。」と気分を悪くされたらイヤだなと思って躊躇していました。
だって、自分はその道の専門家ではないから、その指示の内容が「言われるまでもない当たり前のこと」なのか、それとも「指示しておいた方が良いこと」なのかよくわかりませんでしたからね。
実際、何人かの職人さんに、細かく指示されることに対してどう思われるのかを直接お伺いしてみました。
すると、ほとんどの職人さんから「細かく指示してもらった方が作りやすい。」という返答を頂きました。
それからは、デザイン画や縫製仕様書には細かい部分まで指示を書き込むようにしました。
そうすることで、職人さんとのやりとりもスムーズになり、トワルチェック後の修正なども少なくなり、お互いの作業効率を大幅にアップさせることができました。
依頼者の指示がわかりづらいと、職人さんもその都度考えたりして作業が止まってしまい、気持ち良くスムーズに作業を進めることができなくなってしまいます。
縫製仕様書を見る→考える→わからないから質問する→解答をもらうまで待つ→解答をもらって作業に入る→またわからないことが発生する…
1つでもわからないことがあると、それだけでかなりの労力と時間のロスになってしまうのです。
そうならないためにも、依頼する側としては下記の点を心掛けながらデザイン画や縫製仕様書を作ることをおすすめ致します。
- 丁寧なデザイン画
- デザイン画に対しての細かな説明や指示
- こだわりの部分は参考写真などを使ってわかりやすく
- やり直しを未然に防ぐための注意書き
下記は私が実際に作った縫製仕様書です。
Romantineの作品のほとんどにレース・フリル・リボンが付いておりまして、この3つは私がとてもこだわっている部分でもありますので、イメージ通りに仕上げて頂けるように細かな寸法を記載したり、綺麗なリボンを作って頂けるように注意書きを添えるようにしています。
ちなみに、この仕様書は私が普段からデザインのお仕事でよく使っているAdobe Illustratorで作成しています。
イラレは個人的にすごく使い慣れているので使っていますが、手書きの仕様書でも内容がわかりやすければまったく問題ございません。
縫製仕様書の書き方は人それぞれですので、ご自分の作りやすい方法でぜひ作ってみてください。
こちらの縫製仕様書を元に作ったネグリジェドレスは、2019年に参加させて頂いたファッションショー「レクレドールコレクション」に出展した作品です。
また、2019年にクラウドファンディングMakuakeにも出品させて頂きました。
現在ではRomantineの公式オンラインショップにて販売しておりますので、ぜひこちらもご覧くださいませ(*^^*)
いかがでしたでしょうか?
今回は「初めての服作りでしくじらないためにするべき3つのこと」をテーマに、記事を3回に分けてお届けしてみました。
Romantineのブログを読んで、縫製経験の無い人でもオリジナルのお洋服やドレスを作ってみたい!と思って頂けたらとても嬉しいです(*^^*)
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もどうぞお楽しみに!(*´∀`*)♪