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ロリータ服なのにスカートが広がらない?!初めての服作りでしくじらないためにするべき3つのこと(その2)

こんにちは^^
レースを愛するロマンティックファッションブランド「Romantine(ロマンティーヌ)」のデザイナーMotoです。

Romantineは、2019年3月に原宿で開催されたファッションショー「Les Clefs d’or Collection(レクレドールコレクション)CITY STAGE #03」に、福岡発のファッションブランドとして初参加させて頂きました。

出展したジャンルは「ロリータファッション」です。

▼ファッションショーの様子はこちら
Romantine|ファッションショーモデル

前回は、初めての服作りでしくじらないためにすべきことの1つ目として、縫製職人さんに「製作の目的を明確に伝える」ということをお話しました。
まだ1つ目をご覧になられていない方はこちらをご覧ください。

服の仕上がりがイメージと全然違う?!初めての服作りでしくじらないためにするべき3つのこと(その1)

今回は2つ目「仕上がりイメージはデザイン画だけでは伝わらない」をテーマにお話したいと思います。

Romantine(ロマンティーヌ)|リボンストライプワンピース

【しくじらない服作り|その2】
仕上がりイメージはデザイン画だけでは伝わらない

皆さんはオリジナルのお洋服や衣装などをデザインする際、どのような道具を使ってデザインしますか?

スケッチブックにペンや色鉛筆などで描いたり、パソコンのペイントソフトを使って描いたり、もしかするとスマホのお絵かきソフトで描いている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ちなみに私はスケッチブックにシャーペンで描くことが多いですね。
場合によってはAdobeのIllustratorでスケッチをトレースすることもあります。

オリジナルのお洋服や衣装をデザインするときは、ほとんどの場合はイラストに描きおこすところから始まります。
そして、出来上がったデザイン画と縫製仕様書を職人さんに確認してもらい、いざ縫製作業の開始!
…と言いたいところですが、本当に今のデザイン画と縫製仕様書だけで、仕上がりのイメージは伝わっているのでしょうか?

ロリータファッション ラフデザイン

ある程度仕上がりがイメージできるデザイン、例えばシンプルなTシャツやポロシャツなどであれば、デザイン画と簡単な縫製仕様書だけでも十分かもしれません。
ですが、完全なオリジナルデザインの場合、本当の完成イメージというのはデザインした人の頭の中にしかありません。

プロの縫製職人だからといって、デザインした人が思い描く完成イメージをそのまま忠実に再現できるかというと、決してそんなことはないのです。

 

ここで一旦、基本的な服作りの流れをおさらいしたいと思います。

①デザイン画と縫製仕様書を元に型紙(パターン)を作成します。
②パターン通りにシーチング(トワル用の安価な生地)を裁断していきます。
③裁断した生地をトルソー(縫製用のマネキン)に着せて仮縫いし、トワル(仮縫いサンプル)を作成します。
④トワルを調整・修正して、修正箇所を型紙に反映させます。
⑤本番の生地を使って本縫いして完成となります。

洋服を作るときは、いきなり本番の生地を裁断して縫うということはありません。

まずは作った型紙を元にシーチングを裁断して、それをトルソーに着せて洋服としての形がちゃんとできるかどうか、人の体に合わせて立体になるかどうかなどをチェックする必要があります。
これを「トワルチェック」といいます。

これらの流れを踏まえたところで、実際に私が作ったロリータファッションのワンピースを例に、イメージが伝わらなかった部分のお話したいと思います。

Romantine(ロマンティーヌ)|リボンストライプワンピース

今回ロリータファッションを作る上で、特にこだわった点が2つあります。

①レースフリル・共布フリルのギャザーの入り方
②スカートの広がり方

①のレースフリル・共布フリルを作る場合は、職人さんによってはギャザーの入り方が多かったり少なかったりします。
デザイン画というのは、基本的には簡略化されたイラストになりますので、フリルのギャザーといった細かい部分のイメージまではなかなか伝わりません。

②のスカートの広がり方についても同じで、スカートが大きく広がったデザイン画を描いていたつもりでしたが、実際に出来上がったトワルのスカートは、イメージしていたほど大きくは広がっていませんでした。

下記は今回のファッションショーで作ったワンピースのデザイン画の一つです。

そして完成したワンピースがこちら。

ベビードールワンピース|完成品

着用するとこんな感じです。

Romantine(ロマンティーヌ)

パニエを2枚はいても、ご覧の通りスカートが綺麗に広がってくれます。
やっぱりスカートが大きく膨らんでいるとすごく可愛らしく見えますよね!

実はこのワンピース。
最初に出来上がったトワルはこんな感じだったんです。

トワルチェック

完成品と比べても、スカートの広がり方が全然違うのがおわかり頂けますでしょうか?

パニエをはくと、スカートがフワフワになるというよりも、広がらないスカートの中に押し込められてパンパンになってしまう感じです。

ですが、職人さんからすれば、これでも普通のスカートよりはかなり大きめに作られているとのことでした。

ロリータファッションのスカートは、ボリュームのあるパニエをはいて大きく膨らませることで可愛らしさを表現します。

このことはロリータファッション業界ではごくごく当たり前の認識としてあるのですが、ロリータファッションに縁のない人にとっては全然当たり前のことでは無いということ。
それをこのトワルが仕上がってきたときに初めて気付いたのです。

デザイン画の時点でスカートはかなり大きめに描いたつもりでしたが、やはりイラストだと若干誇張して描いていると思われても仕方のないことかもしれません。

ですが逆に、縮尺とか細かい部分とかを適当に描いているデザイン画だったら、デザイン画通りに忠実に再現してしまうとヘンテコな服が出来上がってしまいますので、そこは職人さんの経験や感覚でほどよい感じに補正してくれていることも多々あると思うのです。

このしくじりは、間違いなく私のイメージの伝え方が不十分だったことが原因です。

私はこのとき、このようなしくじった考えを持っていたのです。

「デザイン画をきれいに描いてさえいればイメージは伝わるでしょ?」

もちろん、デザイン画をきれいに描くことに越したことはないのですが、必ずしもそれだけでイメージがすべて伝わるわけではありません。

今思えば、私の頭の中に「プロの縫製職人さんだから伝わるだろう」という過信や思い込みがあったように思います。

「イメージ」というのは、あくまでもその人の頭の中にしか存在していませんので、プロとかプロじゃないとかはあまり関係が無いように思います。

もちろんプロの方は知識や経験が豊富にありますので、デザイナーのイメージを汲み取る力があることは間違いないとは思いますが、人によって解釈に違いが出てくるような細かいイメージまで忠実に再現するのは非常に難しいことだと思います。

何よりも、まずは伝える側がしっかりと、より具体的に、よりわかりやすく伝えるということ。
参考写真などがあれば、職人さんもさらにイメージをつかみやすくなると思います。

今回のスカートの場合だと、スカートの広がり方がわかる参考写真、特にパニエをはいた状態の写真をお見せすることで、型紙やトワルを修正するための時間や費用を無駄にせずに済んだのではないかと思います。

いかがでしたでしょうか?
仕上がりのイメージを職人さんにしっかりとわかりやすく伝えることの大切さがおわかり頂けましたでしょうか?

次回も引き続き「しくじらないための服作り(その3)」をお送りしたいと思います。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もどうぞお楽しみに!(*´∀`*)♪

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